もしバナゲーム

 先日の新聞に「もしバナゲーム」が紹介されていた。最近、全国の介護施設などで広がっているカードゲームだそうだ。「もしものための話し合い」を「恋バナ」よろしく「もしバナ」と略したゲームということらしい。

 「余命半年」と宣告されたら何を優先して生きるか。トランプのような36枚のカードでゲームをしながら考える。自分らしい最期を迎えるため、早いうちから終末期について家族らと話し合っておくことは大切だろう。でも、なんとなく「縁起でもない」という理由で、避けていないだろうか。このカードゲームのいいところは、ゲーム感覚でそんな難しい話題を家族や友人と考えたり話し合うことができることだ。

 このゲームは、一人でもペアでも4人1組でもできる。それぞれ多少ルールは違うが、カードに「誰かの役に立つ」「痛みがない」「家族と一緒に過ごす」などと書かれているので、自分にとって大事なこと、希望するカードを選ぶ。そしてなぜそれを選んだか理由を考え、家族や友人に説明し、話し合う。自分と他人との死生観や価値観の違いが分かり、面白い。

 さっそくカードを購入し、私たち夫婦でやってみた。まず私が自分にとってとても重要、ある程度重要、重要でないと35枚のカードを分ける。同時に連れ合いは「私がどう思っているか」を想像して、同様にカードを分ける。そして、互いの選んだ「とても重要」を比べる。私たちの場合、とても重要の10枚のうち5枚が一致した。多いと思うか少ないと思うか微妙なところ。一致したカードは、確かに日ごろ私が連れ合いに言っていたことだった。その後、なぜそれを選んだの?そんなことはあまり重要ではないよ、などと話が弾んだ。確かに楽しい。今度は子どもたちと親子の関係でやってみたい。

 次に「サロン虹」で4人1組でやってみた。それぞれがとても重要なカード3枚を選び、なぜ選んだかを説明していく。ゲーム感覚で互いの思いを共有することが出来た。