パラダイムシフト

 今年度、日本バプテスト連盟結成70年の取り組みとして、全国の連合で「協力伝道会議」が開催される。神奈川連合では9月23日~24日にマホロバ・マインズ三浦での「連合の集い」の中で行われる。

 この会議は、今という時代を確認し合い、これからの連盟における協力伝道の働き、あり方について共に考えるものである。「協力伝道会議」のキーワードは「パラダイムシフト」という言葉。パラダイムとは「ある時代に支配的なものの考え方・認識の枠組み。規範」とされている。「パラダイムシフト」とは、そうした考え方や枠組み、規範といったものの変化を指す言葉である。

 教会は、時代の変化、人々の生活環境の変化、社会情勢の変化と決して無関係ではない。私たちが直面している今日の困難は、これまで教会が持ってきた常識や前提が通用しなくなったことの表れかもしれない。だとすれば、これまで当たり前だと思ってきたことや、当然のように目指してきた目標を問い直し、視点を変えて見直していく必要がないだろうか。常識や前提、そして物事を見ていく視点が変わることで、事柄を捉える基準としての「ものさし」も変わることになり、これまで「問題だ」「課題だ」と受け止めていたことも、むしろ豊かな可能性を含んだ出来事として受け止め直されていくこともあり得ると思う。

 平塚教会では、数年来、ビジョン委員会、信徒会、総会、執事会などで話し合いを重ね、「地域(隣人)に開かれ、地域(隣人)に仕える教会」をコンセプトに、「子どもプロジェクトの推進」というビジョンを決定し、多目的集会所「こひつじ館」を建てた。「子どもプロジェクト」と名付けたのは「信仰の継承」という課題を明確にし、自覚するためである。また、子どもからその家族、地域へとつながりを広げようというねらいも含まれている。

 その手始めに子育てサロン「こひつじひろば」が4月から始まった。「手芸の会」もこひつじ館で行うようにした。さらに来年は小学生の居場所づくりをしたいと願っている。まさにパラダイムシフトした取り組みではないだろうか。