先週の復習。「前向きの無力さ」とは「互いの無力さを受け止め、神様にゆだねるという立場」。その場合、大切にしていることが7つあると向谷地さんは言う。一つ目は、「その人を支配したり管理したりしないこと」。二つ目は、「自分の力のなさを認めること」。以上は先週のまとめ。
さて、三つ目であるが、「自分自身を変えること」。対人関係の基本原則。人を変えようとするよりも、自分がまず変わることが相手を変える大切なポイントとなる。
四つ目は、「自分と相手を受け入れること」。聖書にも、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」(マタイ福音書22:39)とあるように、私たちが「人を受け入れられるかどうか」は、「自分を受け入れているか」が鍵になる。
五つ目は「正すことではなく、励ますこと」。支援者は、人の過ちを正すのではなく、励ます人になる必要がある。
六つ目は「その人の人生を認め、大きな力にゆだねること」。“大きな力”というのは、人によって違うと思うが、大切なのは自分の力で人を助けようとせず、自分を超えた力にゆだねるというわきまえ。私の場合は神さま(キリスト)。「人事を尽くして天命を待つ」ということわざもある。
最後は、もっともかかわりの難しい当事者は、誰でもない自分自身であると、日頃から心にしっかりと刻んでおくこと。
私たち支援者が、相手のためを思ってしたことがよい結果につながらなかったり、何かできればと思って、熱心になればなるほど、息切れしてしまい、どのようにかかわったらよいか途方に暮れてしまうことがある。そのようなときこそ、「前向きな無力さ」という「行い」が有効です。手を引いて神さまにゆだねる、つまり私たちの無力さを知り、本人の回復を信じ、神さまにゆだねる思いを持った行いである。
現実にかかえる生きづらさを、聖書のみ言葉に照らし合わせて話し合う。なぜなら聖書のみ言葉は大切な「人生の羅針盤」だから。