フランシスコ法王の言葉

 少し前の話題になるが、フランシスコ法王が、9月下旬、キューバと米国を初訪問された。両国とも熱狂的な歓迎を受けたという。法王は2年前の就任以来、「貧者の教会」を掲げ、資本主義の行き過ぎや貧困や格差など社会問題にも積極的に発言してきた。今回の訪問での法王の主な発言を新聞記事から紹介したい。

 <政治と信仰について:ハバナでのミサで>思想に仕えるのではありません。私たちは人々に仕えるのです。(感想:使命が明確。生き方がぶれない)
 
 <難民・移民について:米上下両院の議会演説で>世界は第2次大戦以来の危機に直面しています。彼らを数字でとらえないでください。人として、顔を見て、話を聞いてください。(感想:数字ではない、番号でもない。一人ひとり人格を持った人間だということだ)
 
 <軍備について:同上>なぜ武器を売るのか?他者の血にまみれた金のためです。この問題に取り組み、武器の売買を止めることが私たちの責務です。(感想:直球勝負ですね。打ち返せるか?)
 
 <ホームレスについて:ホームレスとの対話で>神の子は、この世にホームレスとして生まれてきました。(感想:今年もクリスマスがやってくる。意義を考えてみたい)
 
 <核廃絶について:国連で>世界を核兵器から解放するための取り組みが緊急に求められています。(感想:唯一の被爆国日本こそが核兵器廃絶の先頭に立ちたいし、その使命がある)
 
 <平和について:同時多発テロの追悼施設で>違いや不一致があっても、平和な世界を築くことはできます。言語や文化、宗教の多様性をもとに調和を築かねばなりません。
 
 <移民について:米独立宣言が採択された場所でヒスパニック系移民らに>前に来た人たちと同様、あなたたちも自分たちの新しい国に多くの恵みをもたらすことを忘れないでください。自分たちの伝統は、恥じるべきではありません。

 どの言葉も簡潔で深い。あなたは?と応答を求められる言葉だ。