すぐ読みたいと思った二冊の本

今回は二冊の本の紹介をしたい。二冊とも新聞記事で知った。久しぶりにすぐ読みたいと思って、二軒の本屋さんに出かけたが見つからなかった。そこで今日、アマゾンで注文した。よって、まだ読んでいないので、新聞記事での紹介となる。

  一冊目はカントの名著『永遠平和のために』(池内 紀訳、集英社)。3月29日の朝日新聞から。カントは18世紀ドイツの哲学者。カントの哲学書といえば『純粋理性批判』など難解なものが多く、敬遠したいところだが、この新訳本はわかりやすい言葉で抄訳されているという。読みたくなった理由の一つ。

  この本を世に送った編集者池孝晃氏は「平和への歩みは遅々としているけれども、いつか永遠の平和が実現するのを期待して歩むことが大事なんだ、とカントは言っています。人類の歴史は戦争の歴史だからこそ戦争のない社会を、と理想を掲げたんですね。隣り合った人々が平和に暮らしているのは、人間にとって『自然な状態』ではなく、敵意で脅かされているのが『自然な状態』である。だからこそ、平和状態を根づかせなければならない」と、カントの思想を語っている。

  もう一冊は4月1日の朝日新聞から。絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)。内容は南米ウルグアイの前大統領のホセ・ムヒカ氏の12年の国連会議での演説を絵本にしたもの。「貧しい」ではなく「清貧」の思想を地で行く政治家。4月5日に来日し、今朝のテレビでも詳しく紹介していた。彼曰く「私が思う『貧しい人』とは、限りない欲を持ち、いくらあっても満足しない人のことだ。でも私は少しのモノで満足して生きている。質素なだけで、貧しくはない」。軍事政権下、長く投獄されていた経験を持つ彼は、また次のようにも言っている。「人は苦しみや敗北からこそ多くを学ぶ。以前は見えなかったことが見えるようになるから」。

  読み終わったら、会堂の後ろに置くので自由に読んでください