土台があれば乗り切れる

米国の社会ではユニークさを出すことは高く評価され、人と同じことをしている人は能力がないとみなされる。しかし、日本の社会では、ユニークさを出すことは、反感を買い、いじめの対象にすらなることがある。そういう恐れというマイナス面は当然ついてくる。だからユニークさを出す生き方は、その根っこに土台がないと続けることができない。

  ユニークなことをして最初は揶揄(やゆ)や抵抗を受けても、その人が結果を出せば、抵抗は自然に収まっていくもの。そして結果を出し続ければ、そのユニークさを真似る人さえ出てくるだろう。最初の結果を出すまで持ちこたえるためにも、自分の心の土台をしっかりさせる必要がある。

  ソニーの創業者・井深大(まさる)氏は熱心なクリスチャンだった。彼の口癖は「人真似はするな。ユニークさで行きなさい」。その結果、独創的な製品を次々と生み出し、世界のソニーと言われるまでになった。彼の土台は聖書である。

  今の日本は様々な問題はあるにしても、餓死者や身売りをする人があふれているわけではなく、表面的には平和な時代だ。しかし、心の危機、心の闇は深くなっているのではないだろうか。無縁社会となり、児童虐待や孤独死、ブラック企業の存在などの問題が生まれている。地域の共同体への帰属意識の薄れとともに、社会的な規範意識も薄れ、人は何を基準にして物事を判断していったらいいのかわからなくなっている。それは日本だけのことではなく世界が今混迷の時代に入っていると言われている。そういう時代こそ、ユニークな発想、思考が突破口を開くカギとなるだろう。そのユニークさを発揮するためにも心にしっかりとした土台を持つことが必要になる。聖書(御言葉)はそうした土台になりうるのである。

  「わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。」(マタイ7:24)。