新生讃美歌ブックレット

9月17日に茗荷谷教会で行われた第7回東京バプテスト神学校デーに参加した。東京バプテスト神学校は創立56年になる。最初は新宿にあった連盟事務所を借りて授業をしていたが、連盟事務所移転に伴って教室の確保に悩まされてきた。この20年は東京都文京区の地下鉄「茗荷谷駅」から徒歩1分の茗荷谷教会をお借りして授業が行われている。

 さて、当日は二つの主題講演があり、その一つが江原美歌子先生(連盟教会音楽室長)の「讃美歌学と新生讃美歌ブックレットの活用について」だった。早速、7月に発行されたばかりの『新生讃美歌ブックレット』(500円)をその場で買い求め、講演を聞いた。知らないことや日頃疑問に思っていたことなどを学ぶことができ大変有意義であった。

 「ブックレット」のまえがきに「『新生讃美歌』は刊行から15年、……収録された682曲をさらに活用していくために、『新生讃美歌』の参考資料の必要性を感じ、……発行する運びとなりました。……内容は賛美歌の知識や情報にとどまらず、この間蓄積してきた、賛美歌に関しての気づきや、研究、諸教会からの問いかけ等を含む、幅広い内容を網羅するものとしました」とある。

 確かに内容は多岐にわたる。讃美歌の見方は素人には図解で分かりやすい。選曲の項目は、いつも悩んでいる牧師にとってありがたい。歴史的背景から賛美歌には天皇制用語・神道用語が多く使われているが、それをどう捉え直していくか、不快語・差別語の歌い替えの提案、速度記号がないのはなぜ?「アーメン」はいつも最後に歌うべきか、節を選んで歌ってもよいか、会衆賛美でハーモニーをつけて歌ってよいかなど、大変参考になる。資料として、『新生讃美歌』用語解説、著作権申請手続きのことまで載っている。

 「ミーター(韻律)」についても教わった。歌詞が同じ韻律(語数)ならば、違う曲で歌うことができる。新生讃美歌137番を「ふるさと」のメロディーで歌ったところ、また違った味わいがあった。17世紀頃、英国やドイツなどで民謡に賛美の歌詞をつけて多くの賛美歌が生まれたことを思い出した。