「不安になったら」マタイ福音書6章25~34節

空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。 

               マタイによる福音書6章26節

 

私たちの生活には様々な心配事があります。「あの人にこんなひどいことを言われた」「年金だけでやっていけるだろうか」「こどもや孫は幸せに暮らしていけるだろうか」。あるいは過去の嫌な記憶がふと蘇って不安になります。どうしたら私たちは心を蝕むような、必要以上の不安から自由になれるのでしょうか。キリスト教は尽きることのない不安について何を語っているでしょうか。聖書に聞きましょう。

イエスは人間の心配に親身に寄り添う方でした。イエスは不安に思う私たちに向けてこう言います「空の鳥を見なさい」。それは「思い悩む時は空を見上げて、鳥を見つけてごらん。自由に飛び回っている鳥たちを見つけるよ。あの鳥たちにも悩みがあるかもしれない。でもきっとあなたほど思い悩んではいないよ。鳥も大切だけど、神様はあの鳥たちよりももっと、あなたのことを大切に思っているよ。神様は君たちに、あの鳥たちよりもっと自由に、もっとのびのびと、安心して、どこまでも先へ進みあなたの可能性を広げて欲しいと願っているよ。」ということです。神様は自由になりなさいと励ましてくれています。

さらに続く28節でイエスは「野の花を見よ」と言っています。「不安に思っている時は、道端に咲いている花を探してごらん。その花が何も着飾らないで、ありのままで美しい事を見つけてごらん。人間がどんなに成功しても、神様が咲かせたこの小さな野の花の、ありのままの美しさには敵わないんだよ。そして神様はこの花よりも、もっとあなたのことを大事に思っているよ。君たちにこの花よりももっと光り輝いて欲しいと思っているよ。」

そしてイエスはもう一度、力強く言います。「思い悩むな」。色々な心配事があるけど必要以上に心配しすぎるのは、もうやめよう。なぜなら神様はあなたの必要も心配もすべて知っていてくださるから。あなたは一人じゃないから。神様がついているから、大丈夫だよと言っているのです。

33節の神の国と神の義を求めるというのは、まさに、私たちが鳥のように自由に、花のように自分らしく輝いて生きられる、そんな世界を、神様に求めていくことです。そしてイエスは付け加えています。今日の苦労は今日だけで十分だよ。もうそれ以上心配しなくていいよ。これが心配事の多い私たちへの、イエスからの励ましです。

私たちの人生には不安がたくさんあるものです。でも私たちはそのような時、空の鳥と、野の花に目を向けましょう。その自然を通して語りかけてくださっているのは神様です。神様は私たちを愛し、大切に思ってくださっているのです。神様が、あなたを不安から解き放ち、自由で、あなたらしく輝く人生を与えてくださることを信じています。お祈りします。