ストレス対処法の気晴らし

現代はストレス社会だといわれている。大人だけではなく、子どももストレスを抱えている。キレる、という言葉が日常会話の中で頻繁に出てくる。ストレスの原因については他日に譲り、今日はその対処法について考えてみたい。書店に行くとストレス対処関連の本がたくさん並んでいる。そんな本を買って読むこと自体がストレスだ、というような笑い話にならないように、気軽な対処法はないだろうか。それは「気晴らし」。

  気晴らしはなるべくささやかで、しょうもないほどよい。北九州にいた頃、所用である牧師を訪ねたら、教会の庭でしゃがんで何かしている。雑草取りでもない、苗を植えているのでもない。「何してるの」と聞くと、「土いじりだ」と言う。私はその時、「しょうもないことをして、よほど暇なのか」と思ったのだが、その牧師曰く、「ストレス解消だよ」と。そう、手軽でささやかでしょうもないほどよい。

  たとえば、星を見る、石を拾う、散歩する、テレビのドラマを見る、音楽を聴く、料理をする、映画を観る、お風呂場で鼻歌を歌う、友人とおしゃべりをする、本を読む、好きなお菓子を食べる、スーパーで買い物をする、ペットをかわいがる、お気に入りの服を着る、おしゃれする、スポーツをする、観る、花に水をやる……。じつにいろいろある。

  大事なのはたくさんの気晴らし法を持っていることだ。たくさん持っていると、どこでも小刻みにそれらのどれかを使うことができ、ストレスをためないですむ。散歩好きな人は雨が降ればできなくなるが、その時は室内でストレッチ体操をして気晴らしをするという具合に。

  さて、私の気晴らしはというと、銭湯や温泉に行く、新聞や本を読む、おいしいコーヒーを飲む、散歩する、夜お気に入りのテレビ番組を見る、本屋で立ち読み、ストレッチ体操、夕食にビールを飲む、落語を聞くなど。皆さんはどんなことでしょう。

  *『人生の後半戦とメンタルヘルス』(藤掛明 キリスト新聞社 2016)を参考にしました。