「顔を上げさせる神」ルカ21章25~33節

このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。

ルカ21章28節

 

今日からアドベントというクリスマスの到来を待ち望む期間に入ります。クリスマスは毎年確実にやって来るものです。一方、人生はいつも不確実です。人生には春夏秋冬が順番に訪れるわけではありません。喜びのさなかに突然の悲しみがあります。人間はすぐに気が変わります。人生は不確実さにあふれています。

アドベントとは「到来」という意味の言葉です。時の流れは正確です。待っていても、待っていなくて、それは確実にやって来ます。私たちはクリスマスをどう待つのかが大事です。今日は聖書から、クリスマスが確実に来るように、私たちにもきっと神様が来て下さるということを見ます。そして私たちはそれを待つ間、顔を上げて、うつむいた顔を上げて、それを待とうということを見てゆきたいと思います。

25節の「太陽と月と星」とは世界の確実さ、信頼できるものの象徴です。しかし確実と思えるものにも変化が起こります。人々はその時、不安になります。気候変動、ゲリラ豪雨、季節はずれの台風、コロナなど不確実なことが増えてきています。人間はならなおさら不確実でしょう。仲間、家族、友人、教会員など、どの関係も簡単に変わってしまうものです。人間はいつもその変化に悩みます。

確実なものはこの世界にどんどん少なくなっています。その中で変わらないものは何でしょうか。私たちの世界には想像もしない変化や、不条理なこと、突然の自然災害がおこるかもしれません。しかし私たちにはただ変わらないものがあります。それが26節にあるように、神様が来るという約束です。どんなに人間が変わろうとも、どんな天変地異が起きようとも、変わらないもの、それが人の子、イエス・キリストがやって来るという約束、それを私たちが見るという約束です。その確実な約束を私たちは変化の多い生活の中で待っています。

イエス様は私たちがその約束をどのように待つべきかを教えています。28節には「身を起こして頭を上げなさい」とあります。聖書は私たちに不確実で不条理な時代の中にあっても、顔を上げて歩こうと言っているのです。

そして33節には聖書の言葉は天地が滅んでも、滅びないとあります。私たちには人間がどんなに変わっても、変わらない確実さが与えられているのです。人生や世界には、予想もしないような変化が起きます。でも私たちに変わらないものがあります。それは神様が私たちのもとに来るという約束と、神様の言葉です。神様の約束と神様の言葉は変わらない確実なものです。

私たちの人生には不確実と困難さあります。しかし私たちは顔を上げて歩みたいのです。イエス様が必ず私の心に来て下さるという確かな希望を持って、顔を上げて歩みたいのです。どんなに世界が変わっても、神様のことばは決して滅びないことに希望をもって、顔を上げて歩みたいのです。お祈りします。