ノーベル平和賞

「学校に机や椅子がなくても気にしない。私はただ勉強したいだけ。怖いものは、何もないわ」。これはパキスタンの14歳の少女、マララ・ユスフザイの言葉です。彼女は、昨年10月9日に、女子が教育を受けることに反対しているイスラム主義組織タリバンの武装グループに銃撃されたが、一命をとりとめました。その時の言葉です。

 上記の文章は2013年1月13日のこの欄で取り上げたもの。そのマララさんが今年のノーベル平和賞に決まった。17歳の女子学生マララさんは、武装組織に銃撃され、重傷を負うという目に遭っても女性と子どもの教育を受ける権利のために今も奮闘している。その活動はノーベル平和賞にふさわしく、称賛に値する。

 一方で、発表1週間前頃に、日本国憲法の第9条も有力候補として挙がり、受賞してほしいと願っていただけに残念である。以下は今年の5月11日のこの欄で紹介したもの。

 …(前略)…「憲法9条にノーベル平和賞を」という活動を始められた鷹巣直美さん。彼女は二児の母親で、大野キリスト教会(相模大野駅近く)の教会員。彼女は「自分の子どもを含め世界中の子どもたちを戦争から守るため、戦争をしない憲法9条を世界に広めたいと思い、この活動を一人で始めた」と話された。それもたまたまで、そしてその後は多くの方の署名協力やネットでの拡散、賛同した人たちで実行委員会を結成と活動は広がっていった。…(中略)…鷹巣さんは「武装すると他の国を怖がらせ、嫌われる。でも戦争をしない憲法をみんなで掲げ、戦争するつもりはないと伝えれば、仲間として受け入れてくれる。好意と共感が広がり、戦争やめようと一緒に手をつないでくれる。これこそ、本当の戦争抑止力になる」とアピ-ルされた…(後略)…。

 以上であるが、21世紀になっても戦争や紛争が留まらない状況の中で、9条がノーベル平和賞の候補に挙がった意味は大きい。来年に期待したい。