とりあえずの人生

毎週金曜日、朝日新聞の夕刊に大竹しのぶさんのエッセーが掲載されている。彼女の日常の身辺雑事が生き生きと(リアルに)書かれていて、「この人、文章うまいなあ」といつも感心して読んでいる。

 私は芸能界のことはとんと疎いので、彼女があの明石家さんまさんと再婚して、女の子を出産してたなんて、ちっとも知らなかった。大竹しのぶといえば、昔、映画「青春の門(筑豊編)」で初恋相手の主人公との別れの場面で「信介しゃん、信介しゃん…」と泣きながら呼ぶ名演技が忘れられない。

 さて、彼女のエッセーだが、題名は「まあいいか」である。勝手な推測だが、彼女は「まあいいか」と言いながら人生を歩んでいるのかな、と思ったりする。では、「私はどうだろうか」と自問してみた。出てきた答えは「とりあえずの人生かな」であった。

 昔読んだ本に「考えてから歩く人と考えながら歩く人、そして歩いてから考える人がいる」とあったが、「とりあえずの人生」は「考えながら歩く」タイプに近い。サントリーの創業者鳥井信治郎の「やってみなはれ」は有名であるが、これは「歩いてから考える」という開拓者精神に満ちた生き方であろう。私の連れ合いは完全に「考えてから歩く」タイプ。石橋を叩いて渡るという生き方。

 「とりあえずの人生」はその時その時に考えるから、計画性がないと言えばそうだが、何でも積極的にやってみるという面もある。そこから新しい発想や発見もある。新しい出会いや思いがけない出会いもある。それを楽しんでいる人生なのかもしれない。

 「とりあえずの人生」は、中途半端な生き方ではない。いい加減な気持ちで取り組むわけではない。考えながら歩んでいるのだ。人生、先が分からないのだから、とりあえず一歩踏み出してみる。そしてあとは神にゆだねる、の精神である。予想通りでなくてもそれを受け入れ、楽しむ余裕の人生とでも言おうか。皆さんはどういう人生ですか。

平塚バプテスト教会