5月8日のこの欄に、『平和のつくりかた』というブックレットを紹介した。日本バプテスト連盟の「平和宣言推進プロジェクト」から発行された、大変やさしく書かれたもので、内容的にも深いものがある。子どもたちとも読み合い分かち合ってほしい。
教会に10部ほど連盟から送られてきたので、会堂の後ろに置いておくので、読みたい方はどうぞお持ちください。100円のカンパをいただければ連盟へ送金します。追加を要望したら、増刷したので来月には届けるということである。
本の題が「平和のつくりかた」。日本語としてこなれない言い方であるが、ストレートで面白い。「平和をつくり出す人たちは、さいわいである。彼らは神の子と呼ばれるであろう」(口語訳マタイ5章9節)からの連想であろうか。あるいは『戦争のつくりかた』(りぼん・ぷろじぇくと制作)という絵本が2004年に出版され好評であるが、それをまねたのかもしれない。
絵本『戦争のつくりかた』は、決して空想にもとづく作り話ではない。2003年と2004年に相次いで成立した有事関連法をはじめ、すでに施行されている法律や政令、審査中の法案、国会答弁の内容などをひとつひとつ丹念に読み解いた上でつむいだ「日本のひとつの未来像」を示している。その際、素人の曲解がないか、法律家の冷静で厳しい目を通してもらうことにも心を配った、と制作者は語っている。
アニメーション映像も作られており、昨年の11月の連盟総会で視聴した。残念ながらこの本やアニメーションで予言された未来は、12年たった今、着実に現実となりつつある。私たちに残された時間はもうあまりない。それでも、まだ道は残されている。私たちが気づき、変えていくことの出来る未来がきっとある。今こそ「平和をつくり出す」働きが求められている。『平和のつくりかた』は参考になるだろう。