生きる姿勢 4つのタイプ

生きていくうえで人間関係ほど難しく、煩わしいものはない。では、どういう人間関係を築くのがよいのだろうか。心理学者のトーマス・アンソニー・ハリスは、一人の人間の生き方を見ていくと、「人は四つのタイプに分かれる」と、提唱した。「生きる基本姿勢」という考え方である。人間関係がうまくいきにくい人は、次の三つの「基本的な構え」を持っていると主張する。

  ①I am OK、You are not OK という基本姿勢。「自分は良いが、他人は悪い」。つまり、私の言うことは正しいし、生き方はこれでいいと思っている。私とあなたがうまくいかないのは、あなたに問題があるからだ、という姿勢である。そういう人は、実はかなり多いのでは。知らずに傲慢になっていないか。

  ②I am not OK、You are OK という基本姿勢。「自分が悪く、他人は悪くはない」。つまり、私は本当につまらない人間で、あなたの考え方や生き方はそれでいいけれど、それに比べると、私はダメな人間です、といつも自信がもてない姿勢である。劣等感のかたまり。裏返せば「あなたはいいわよ、うらやましい」という妬みが含まれる。

  ③I am not OK、You are not OK という基本姿勢。「自分も悪いが、他人も悪い」。つまり、私にもいろいろ問題があるが、あなたにも問題があると、ある種の「開き直り」のような姿勢である。攻撃的になりやすい。

  では、良い人間関係を作る「基本的な構え」は、どういったものか。それは、④I am OK、You are OK という基本姿勢。「自分も良いし、他人も良い」。つまり、「私は一生懸命生きてきて、まあまあこれで良いのだ」と自己を肯定できること。と同時に、「あなたはあなたの立場で一生懸命頑張っておられる。あなたの考え方は、私と少し違うかもしれないけれど、あなたはあなたでそれでいい」と他者も肯定できる姿勢である。これだと、「お互いに協力し、生活、仕事などをしていきましょう」と思える。

  *「恵み・支えの双方向性」(柏木哲夫 いのちのことば7月号22-23参照)