今年の聖霊降臨日(ペンテコステ)は少し先ですが6月4日です。「ペンテコステ」はギリシア語で「50日目」という意味。旧約聖書ではユダヤ教三大祭りの一つである過越しの祭りから数えて50日目。だから「五旬節」とも言います。この日、モーセがシナイ山で十戒を中心にした律法を与えられたので五旬節をユダヤ教の誕生日としています。
新約聖書では、イエス・キリストの復活から数えて50日目。主イエスが十字架にかかられた時、弟子たちは逃げ去りましたが、復活した主イエスの姿に接して、喜びのうちに再び集まります。そして50日目、彼らの喜びをさらに決定的にする出来事が起こりました。彼らはそれを「聖霊に満たされた」と表現しました。弟子たちにとって聖霊に圧倒される体験だったからです。
その日から弟子たちはエルサレムで公然と宣教を始めます。神の国を告げ知らせたために処刑されたばかりの主イエスを証し始めたのです。神が自分たちと共にいて守り導いてくださると確信しなければとうていできないことです。神の霊が人を立ち上がらせたのです。教会ではこの日を記念して聖霊降臨祭として祝います。
また、聖霊の働きによって弟子たちがイエスの復活の証人として立ちあがり、キリスト教会が誕生することになるきっかけになったので「教会成立の記念日」として4世紀末ごろから守られてきました。
聖書では、聖霊を「助け主」とか「弁護者」とも言いますが、目に見えない神の愛の力のことです。もしあなたが御言葉を聞いて「イエスは救い主である」と信仰告白に至るならば、あなたはすでに聖霊(力、助け)をいただいています。愛、喜び、平和といった良い実を結ばせるのも聖霊です(ガラテヤ5:22-23)。
ただ、聖霊の働きには、人には予測不可能な自由さがあります。風(聖霊)は思いのままに吹きます。そのことは、宣教の働きが神ご自身であり、私たちでないことを明らかに示しています。