お金で幸せになれる?

 昔よりお金に関することわざ、格言は多くある。「悪銭身につかず」「金は天下の回り物」「時は金なり」「安物買いの銭失い」などなど。昔からお金は人間の最大の関心事だということがわかる。

 ズバリ「お金で幸せになれる?」という、3人からの聞き取りの記事が朝日新聞(10月11日)に載っていた。今年8月、山口県で行方不明の男児を発見したボランティアの尾畠春夫さん。「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」という言葉が好きという。世間に広く恩返しがしたいということで65歳でボランティアに力を入れ始めた。お金はボランティアで必要だが年金で十分だと言われる。寄付も断っている。身の丈に合った、できることを精一杯やるということだろう。お金に振り回されない生き方。見事!

 2人目は20年前、ホームレスだったという兼元謙任さん(オウケイウェイヴ代表取締役会長)。事業が軌道に乗り、利益を得るようになったが、「この事業で利益を得ていいのだろうか」と当初は後ろめたさを感じていた。しかし、ある経営者から「人々がお金を払ってでも欲しがるモノやサービスをつくることが、世の中のために役立つ」と言われて、目が覚めたという。両極端の生活を経験して学んだのは、お金に振り回されず、主体的にお金を使うことの大切さだという。

 3人目は東京・西国分寺の「クルミドコーヒー店主」の影山知明さん。元はベンチャーキャピタリストとして、投資家から預かった30億円を非上場企業に投じて収益を最大化するのが仕事だったが、次第に疑問を感じるようになった。そこで「人の仕事の価値」に対する対価をもらう仕事としてコーヒー店主となった。利他性に基づく新しい経済を模索する。お金は感謝の気持ちとともに人の仕事を受け取る道具だと考える。

 3人の話を読んで思うのは、お金と幸福とはイコールではないということ。その使い方、付き合い方が大事だということ。お金に振り回されない。主体的に使う。利他性、他者のために使うことが自分の幸せにつながるということ。守銭奴、金の奴隷にだけはならないようにとあらためて自戒。