私たちは8月「平和」をテーマに礼拝をしています。今日は東アフリカにあるルワンダ共和国で和解の働きをされている佐々木和之さんの報告「ウブムエ」を元に、聖書から平和を聞いてゆきたいと思います。
1994年ルワンダでは80万人が殺される大虐殺事件がありました。分断と差別は一般市民が殺し合うという虐殺事件を生みました。虐殺が収束した後、ルワンダの社会や地域が元の状態に戻ることは容易ではありません。今もルワンダでは両者がどのように共に生きるかを模索しています。そしてその中で和解と平和のために働いているのが、佐々木和之さんです。
会報「ウブムエ」で報告されているのはウムチョ・ニャンザという虐殺事件の生存被害者である女性たちと加害者を夫に持つ女性たちが共に働く女性協働グループです。コロナ禍の中でも被害者と加害者家族のメンバーは分断を超えて、お金を分かち合い「一緒に働いてきて良かった」と感じたとあります。佐々木さんはこのことを次の様に考察しています。「やがてコロナ禍を生き延びた時に、その方々との関係がより強く愛に満ちたものになっていることを心から願います。」
このことはコロナだけではなく、虐殺の被害者と加害者の関係も含めた言葉でしょう。私たちも困難の後に、関係がより強く愛に満ちたものになってゆくことを求めたいのです。そしてこの会報のタイトル「ウブムエ」はルワンダ語で「一致」「調和」「和」を表す言葉です。私たちにも様々な分断があります。私たちはその隔てを超えて、一致「ウブムエ」をしたいのです。
今日の聖書の個所を見ましょう。今日の個所44節、神様と一致し、ウブムエする事、それは神様が起こすことです。神様が私たちを招き、一致・ウブムエして下さるのです。48節、私たちは主の晩餐を毎月していました。あれを食べると不死身の体になるわけではありません。
56節、これを食べるとイエス様の中にいる、イエス様が中にいる、そんな一致、そう「ウブムエ」を体験します。それを食べると57節、すぐに分断してしまう人間が神様の内に生きるようになり、神様との一致を体験するのです。そしてそれは他者との一致へ広がります。
あのパンを食べるという事、それはイエス様との一致、ウブムエの体験です。その一致を通じて、私たちには互いに一致をしてゆく者とされるのです。分断を超えて、平和を生きる者とされるのです。
イエス様のパンは命のパン、平和のパン、一致のパンです。イエス様は私たちと一致をしてくださる、ウブムエして下さるお方です。だから私たちもお互いに一致ができるはずです。どんなに違い、憎しみ困難、過去があっても、それにまさる希望、一致「ウブムエ」を神様が必ず用意して下さっているのです。イエス様は私たちの壁と分断を壊し、一つにしてくださる。「ウブムエ」させて下さるのです。