べてるの家

北海道の浦河に、「べてるの家」と呼ばれる精神障がいをもつ当事者と地域の有志によって1984年に開設された共同生活と事業の拠点がある。最初は教会の古い会堂を借り受け住居として活用しはじめ、牧師夫人と5人のメンバーが日高昆布の袋詰めの下請けを始めた。

 今は社会福祉法人として、日高昆布の産地直送や出版事業などの就労支援とグループホームなどの住居の提供(15か所)と「福祉ショップべてる」など、様々な障がいをもった当事者の社会参加のための多種多様な事業を展開している。

 「べてる」は旧約聖書・創世記28章10-22節にある、ヤコブが天に達する階段の夢を見て神の祝福を受けた土地に命名した「ベテル(神の家)」に由来している。

 この「べてるの家」の取り組みは大変ユニークで、今、精神医療の世界で注目を集めている。例えば「三度の飯よりミーティング」といって、ことあるごとにメンバー同士で集まり病気や共同生活の事について会議をしている。特に「当事者研究」が盛んで、障がいをもつ当事者が自分の病気にオリジナルの病名をつけて毎日の経過をまとめ、報告するのが定例化している。例えば統合失調症の場合、幻聴(何者かの声で自分の悪口を言ったり行動を指摘するもの)が症状として現れるが、この幻聴の声の主を「幻聴さん」と呼び、尊重する事で、幻聴の内容が改善したなどの報告がなされている。

 また、「べてるの家」の理念の一つに「降りてゆく生き方」がある。この施設のリーダーである向谷地生良(北海道医療大学教授)さんが学生時代に読んだ神学者、思想家のP・ティリッヒが著した『ソーシャルワークの哲学』の「愛するとは、降りてゆく行為である」という趣旨の言葉に由来する。以来、向谷地さんは今日までソーシャルワーカーとして、「降りてゆく実践」をされている。「降りてゆく生き方」はまさにイエス・キリストを指し示す。興味のある方は『べてるな人びと』第1,2集(向谷地生良 一麦出版社)をお読みください。

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