思わず「ちょっと待って、その回答!」と叫んでしまった。私の愛読する朝日新聞の土曜版の身の上相談の回答欄。回答者は評論家の岡田斗司夫氏。相談は19歳の女性から「罪悪感のなさに悩みます」。
回答者は冒頭から「日本人の大半は特定の宗教を信じていません。年末にはクリスマス、年始の初詣。家族が死んだらお坊さんを呼んで葬式をあげて、結婚式は教会。こんな無節操な私たちとは違い、世界の大多数の人たちは宗教を、つまり神様を信じています。」と回答のキーワードに「宗教」を持ち出した。
多神論の日本人が「無節操」かどうかは異論のあるところだが、大筋書いてあることは事実だろう。次がいけない。「神様のせいで人類は悲惨な戦争を何度も経験しました。」ちょっと待ってである。なに、戦争は神様のせいだと。この人、何もわかってない。戦争は人間の罪のせいでしょう。戦争は人間の欲望のぶつかり合いでしょうが…。神様のせいなんかにするな!
「いまもなお、宗教の対立で中東では紛争が絶えませんし、インドでは身分差別が当たり前です。」岡田さん、こんなこと書いていたら、世界中から笑われますよ。紛争も身分差別もみんな人間がつくりだしたものですよ。宗教や神、仏のせいにしないでね。神様、怒っちゃうよ。
「しかし、神様を信じることにはメリットもあります。『道徳的になれる』というメリットです。」この人、どこまで宗教オンチなの。神様を都合のいいように利用するのは「信仰」と違う。
さらに「神を信じてる人たちなら、あなたのような悩み方はしません」ときた。皆さん、そう思いますか?信仰してても「罪悪感のなさに悩みますよ」、岡田さん。
こういう回答を反面教師という。しっかり学びましょう。宗教とは何か、信仰とは何か、人間とは何か、神とは何か、なぜ戦争が起こるのか、なぜ人は罪に悩むのか。どう生きるのか。聖書はなんといってるか。