この詩は、ニューヨークにある物理療法リハビリテーション研究所の受付
の壁に掲げられている。もともとはある病室の壁に書かれていた作者不詳の
詩である。この詩は「病者の祈り」という題でよく知られている。私も神学
生の頃、この詩と出会った。一度読むと忘れられない詩である。
大事を成そうとして力を与えてほしいと神に求めたのに、
慎み深く従順であるようにと弱さを授かった。
より偉大なことができるようにと健康を求めたのに、
より良き事ができるようにと病弱を与えられた。
幸せになろうとして富を求めたのに、
賢明であるようにと貧困を授かった。
世の人々の賞賛を得ようとして権力を求めたのに、
神の前にひざまずくようにと弱さを授かった。
人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるようにと生命を授かった。
求めたものは一つとして与えられなかったが、
願いはすべて聞き届けられた。
神の意にそわぬものであるにもかかわらず、
心の中を言い表せない祈りはすべてかなえられた。
私はあらゆる人の中でもっとも豊かに祝福されたのだ。
皆さんにもあるだろう。「○○ができるようにと△△を求めたのに、□□であるように××が与えられた」。
私にもある。高校3年の時、「一流大学に入れるようテストで満点を求めたのに、謙虚になるようにと数学のテストで0点を与えられた」。弱者、病者、ハンディーを持つ者たちの涙を少しは理解できるようになった出来事だった。すべて神から与えられた恵みと感謝している。