今日はレント(受難節)の第5主日です。レント(今年は2月10日~3月26日)は私たちのために主イエスが苦しみを受け、十字架の死を通して救いを完成して下さった恵みの出来事を深く覚えて過ごす大切な時です。なぜなら、主イエスの十字架の死と、その復活の出来事からキリスト教は始まったと言ってよいからです。「キリストが復活しなかったのなら、私たちの宣教は無駄であるし、あなたがたの信仰も無駄です」(コリント一15章14節)。
そこで、1週間早いですが、レントの最後の週、受難週(今年は3月20日~26日)と呼ばれる、主イエスの生涯の最後の一週についておさらいをしてみましょう。四福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)はそれぞれにかなりのページを割いて受難週を記しています。しかし、四つの福音書の受難週記事には、当然多くの共通点もありますが、相違点もたくさんあります。それぞれの福音書記者の用いた資料(伝承)と、編集の意図(強調点)の違いによるものです。そこで今回は、最古の福音書と言われるマルコ福音書によって、この一週間をたどってみましょう。
(1)日曜日(棕梠の主日・枝の祝日):エルサレム入城(マルコ11:1-10)。
(2)月曜日:宮潔め(11:15-19)。
(3)火曜日:神殿説教(11:20-13:2)。
(4)水曜日:オリーブ山説教(13:3-37)。
(5)木曜日(洗足木曜日・愛の戒めの木曜日):最後の晩餐(過越)・ゲッセマネ・逮捕(14:12-72)。
(6)金曜日(受難日・受苦日・聖金曜日)ピラトの裁判と判決・十字架の主の死・埋葬(15:1-47)。
(7)土曜日(安息日・聖土曜日):女弟子たちが香油を準備したこと(16:1)以外、聖書記事ナシ。
受難週をマルコ福音書に従って読み、祈り、主イエスの受難を想起しつつ過ごし、そしてイースターの朝を迎えましょう。なお、金曜日(25日)は受難日祈祷会を10時30分から行います。
*『礼拝を豊かに―対話と参与』(日本基督教団出版局)を参考。